B−6孔とB−8孔を比較すると、同位体ステージ3相当以前の堆積物は西へ傾斜し、2孔間で対比される層準の深度差は、深部へ向かって累積的、系統的に大きくなる。
一方、沖積層基底の不整合面(同位体ステージ2に相当)は、後期更新統の構造とは逆に東へ傾斜している。B−6孔とB−8孔とでは約2mの高度差がある。
注目すべき点として、B−6孔の沖積層において、汽水環境から淡水へ移行する層準が、標高3〜5mに位置していることが挙げられる。縄文海進最高海面期の海水準は、一般に現海水準から2〜4m高いとされていることを考慮すると、B−6孔付近は能代断層の沈降域にありながら、完新世に入ってほとんど沈降していないことを示している。