1−2 調査目的

能代断層は、歴史に残された被害地震の原因と推測されている。その延長は20kmを上回り総変位量も大きい。活動度は「A〜B」級にランクされる。また、現大潟村付近には過去の震源分布の空白域があると指摘されており、近い将来被害地震の発生が予見されるとされている。このため地震発生の規模や長期的な予測を行う必要性の高い断層といえる。

以上から、能代断層調査の最終目的は地域地震防災計画策定のため地震危険度調査及び地震防災対策に関する基礎的資料を得ることを目的とする。

調査初年の平成12年度は、文献調査、地形地質調査および浅層反射法による地震探査を実施し、断層の位置と変位形態・活動履歴の概要を明らかにした。

調査2年目にあたる平成13年度の本調査ではボーリング・ジオスライサー調査、微地形測量、資料分析および既往反射法探査結果の再解析により、平成12年度調査で概要を把握した能代断層の位置・長さ・平均変位速度・単位変位量・再来間隔・最新活動時期等のパラメータの解析精度を高めることに主眼をおいた。