トレンチには,現在の表土の下位の厚さ約1mのローム質粘土層が分布し,その下位にはくさり礫混り粘土層が分布している。これら堆積物は,地表面にほぼ平行に撓曲している様子が観察された。
すなわち,ここではT3面の構成層が,断層活動により撓曲変形していることが明らかになったが,断層活動の履歴を把握することはできなかった。T3面の構成層の変位は,東西方向の幅は50m以上と考えられるが,トレンチの範囲内における変位量は約4.8mであるとみられる。
図3−50 蛭藻沼地区トレンチ壁面スケッチ(北・西側法面)
図3−51 蛭藻沼地区トレンチ壁面スケッチ(南・東側法面)