位置の詳細については,トレンチ調査に先立ち実施するボ−リング調査結果並びに委員会の助言を受けて決定した。
b.概略作業手順
↓.用地の境界を定め,耕作土(深度約50p)を保管
↓.トレンチ掘削実施
↓.トレンチ法面を手作業にて平滑に整形
↓.整形法面に対し,1m間隔のメッシュ(グリッド)を設置
↓.地質状況の詳細な観察
↓.年代測定に供する試料の採取
↓.平板測量によりトレンチの平面図を作成
↓.トレンチの埋め戻し
c.トレンチの規模
トレンチの規模は以下の通りとし,深度2.5m付近に法面の観察が可能なように,幅1m程度の小段を設置した。
d.掘削残土の保管
掘削残土は,埋め戻しに利用するため,降雨による含水や流失・残土自体の安定等に対する策を講じ,適切に保管した。
e.排水
トレンチ掘削に伴う湧水については,水中ポンプ等による排水対策を講じ,排水(濁水)が周辺に公害をもたらさぬよう二重沈殿槽等の対策を講じた。
f.グリッドの設定
上記法面の整形が終了した跡に,観察およびスケッチの為のグリッドを設けた。グリッド間隔は1mとした。
g.トレンチ法面の観察およびスケッチ図の作成
整形したトレンチ法面の写真を撮影し,縮尺1:20のスケッチ図を作成した。
h.試料採取
トレンチ法面の詳細な観察が終了した後に,イベント層準の年代決定に必要と判断される部位からの炭素同位体年代測定用試料を採取した。
i.トレンチ平面図の作成
平板測量によってトレンチの平面図を作成した。
測量の際は,トレンチ開口部から5m周縁域まで図化した。
測量の縮尺は1:100で実施し,1:100・1:200の縮尺で図化した。
j.現場管理
調査用地の保全および安全管理を適切に行い,特にトレンチ開口部への進入を防ぐため,開口部周辺にはロープ等による防護柵を設け,関係者以外の者が立ち入らぬよう必要な策を講じた。
k.現地調査本部および看板の設置
調査用地内に現地調査本部(ユニットハウス)を設置し,調査地の見やすい箇所には,調査名・調査期間・発注者名・請負者名・現場責任者名・連絡先等を明記した看板を設置した。
また,現地調査専用の仮設トイレを準備した。
l.調査用地の復旧および撤収
トレンチの埋め戻しは,掘削残土を転圧して十分に突固めながら慎重に行った。
埋め戻し後は,直ちに仮設物や工事機械類を撤去し,調査用地を原型に復旧した。
m.地形測量
トレンチ位置を含めた周辺地形について微地形状況の把握と更なる地形解析を行うために,平板測量を行った。