(4)スタック後処理,深度変換

マイグレーションで用いる速度テーブルは,急な速度変化が無いことが望ましい。したがって,速度解析で求まった速度テーブルにスムージング処理したものをマイグレーション処理に用いた。図3−31にはマイグレーションに用いた速度テーブルを示す。またここでは,深度変換に用いる区間速度を決定するのに十分な深度のボーリングやVSPのデータは無かったため,深度変換に用いる速度テーブルも,同図に示すスムージングされた速度テーブルを用いた。

解析成果として以下の図を示す。

図3−32 時間断面図(CDPスタック結果)

図3−33 マイグレーション後時間断面図

図3−34 深度断面図

図3−35 マイグレーション後深度断面図

図3−36 カラー断面図(マイグレーション後深度断面図)

なお,結果表示の際にはマイグレーションによる偽造の影響で解釈が困難な部分(測線の両端)をあらかじめミュートした。

マイグレーション後深度断面を観察すると,始点から距離550m程度にかけて,推定深度150mのところの水平な反射面が顕著である。この反射面は距離550m付近を境として,東に緩く(15度程度)傾斜しており,測線終端付近では深度300m程度になるものと推定される。この顕著な反射面より80m程度深いところにも反射面を認めることができる。しかし,深度150mの反射面での反射率が高いと考えられ,これより下位の反射波は顕著ではない。一方,深度150mよりも浅い部分に着目すると,始点から距離300mまでや距離700mから終点にかけては,何枚かの反射面がみとめられる。しかしながら,距離400mから700mにかけては,反射波が乱れており,水平な構造を示していない。400mから600mにかけては,西傾斜となる構造も認められ,このような複雑な構造により,反射面が乱れているように見受けられるものと考えられる。

図3−24 オリジナル波形例(起震点5・55・105・155)

図3−25 バンドパスフィルターテスト

図3−26 バンドパスフィルター処理後波形例(起震点5・55・105・155)

図3−27 デコンボリューションテスト(オペレーター長のテスト)

図3−28 デコンボリューションテスト(ノイズのテスト)

図3−29 デコンボリューションテスト処理後波形例(起震点5・55・105・155)

図3−30 速度テーブル(CDPスタックに使用) 

図3−31 速度テーブル(マイグレーション及び深度変換に使用) 

図3−32 時間断面図(CDPスタック結果)

図3−33 マイグレーション後時間断面図

図3−34 深度断面図

図3−35 マイグレーション後深度断面図

図3−36 カラー断面図(マイグレーション後深度断面図)