実施箇所は,御所野沼地区の4箇所であり,現在の土地利用は水田および畑地である。
@調査目的
空中写真判読の結果,御所野沼地区(御所野沼東方約150〜200m)においては,ほぼ南北方向の走向を有する幅約80mの傾斜地が確認され,その傾斜は西傾斜である。
この傾斜地は,当初「T5面(約1万年前に形成)」と認定されており,位置的に金沢断層延長部に相当する。傾斜地が撓曲で有る場合には,活動時期の検討において,約1万年前以降に活動があったと判断することが可能となる。
したがって調査は,地表から1〜2m程度の地質を確認し,その連続と構造変形(撓み)を確認するために,ピット調査を実施した。
調査地点は,傾斜地を中心に西側の低標高部と東側の高標高部とした。
中心の傾斜地では,南北方向の構造をも確認する目的で,南北の2箇所実施した。
A作業手順
ピット調査の作業手順の概略を以下に示す。
A.掘削位置を選定し,目印となる杭を設置した。
B.小型バックホー又は手堀りで掘削し,埋め戻しを考え「耕作土」・「非耕作土」を区別した。
C.掘削後,掘削面を整形して写真撮影を行った。その後,掘削面の観察並びにスケールを測り,必要に応じて炭質物等の試料を採取した。
D.観察終了後,充分に転圧しながら埋め戻しを行った。
次頁にピット調査位置図を示す。
図3−1 ピット調査位置図(御所野沼地区)