(7)調査解析の流れ

横手盆地東緑断層帯の調査は,2年度計画で進められており,初年度である平成9年度調査ではボーリング調査までを実施し,次年度(平成10年度)のボ−リング調査を含めたトレンチ調査等により活断層としての総合評価を行う計画である。

大略的な調査の流れについて,図1−1−2−1に示す。

図1−1−2−1 活断層調査の流れ図

本年度では,基礎的調査結果を総合し,断層の位置・センス・性状・形状・地層あるいは段丘面の年代と断層による変位や変形・断層の活動性(活動度・平均変位度・最新活動時期の概略)について解析を行った。

解析の結果を次頁以降に要約する。

(1)断層の位置・センス・形状の把握

千屋断層の一部・金沢断層・大森山断層等については,現地調査結果等を踏まえ,「横手盆地東縁断層帯地質図(1:25,000)」(付図1−3−1付図1−3−2付図1−3−3付図1−3−4付図1−3−5付図1−3−6付図1−3−7付図1−3−8)及び「横手盆地東縁断層帯活断層詳細図(1:25,000)」(付図1−6−1付図1−6−2付図1−6−3付図1−6−4付図1−6−5付図1−6−6付図1−6−7付図1−6−8)を作成した。断層に直交する6断面については,「横手盆地東縁断層帯地質断面図(1:25,000)」(付図1−4−1付図1−4−2)に示した。

また,金沢断層については,仙南村茨嶋〜横手市睦成までの地域については「金沢断層段丘面区分図(1:5,000)」(付図1−2−1付図1−2−2付図1−2−3付図1−2−4付図1−2−5付図1−2−6)に示した。

図面作成に際しては,地層対比の根拠を示すと共に,放射性炭素年代測定値との間に矛盾や問題点がないか検討した。

(2)地層あるいは段丘面の年代と断層による変位量の認定

個々の地層あるいは段丘面の変位・変形については,断層等の構造運動によるものかどうか,その変位量が誤差を考慮しても有意な差であるかどうかを吟味して認定した。

(3)断層の活動性(活動度・平均変位速度・最新活動時期の概略)

断層によりどの年代の地層がどの程度変位しているか,特に金沢断層について検討し,断層の変位速度とその地質学的時間における変位を検討した。また,断層を挟んだ各段丘面の対比により最新活動時期を検討した。

調査並びに検討の流れ図を図1−1−2−2に示す。

図1−1−2−2 横手盆地東縁断層帯の調査の流れ図