(1)分析方法

分析は、図3−59に示す作業手順で行った。

まず、試料中の泥の洗い流しと超音波洗浄を繰り返し行う。試料を乾燥させた後、>250mm、250〜125mm及び125〜63mmのサイズで篩分けをする。重鉱物同定及び火山ガラスの屈折率の測定に使用する125〜63mmのフラクションについて脱鉄処理をし、水洗・乾燥後、重・軽鉱物の重液分離を行う。重液は2.85に比重調整されたポリタングステート液を用い、重液分離の方法は佐藤・鈴木(1991)に準じた。

砂粒組成の同定は、偏光顕微鏡下において落射光を照射して行い、100粒以上を計数した。砂粒組成の同定中に認められた火山ガラスについて、吉川(1975)に準じ、Ha、Hb、Ca、Cb、Ta、Tbの6種類の形態分類をした。重鉱物の同定はプレパラートを作製して行い、偏光顕微鏡下において250粒以上を計数した。試料がシルト又は粘土質で砂粒の量がきわめて少ないため重液分離ができなかった試料については、砂粒組成の観察から重鉱物の種類の有無を判定した。

火山ガラスの屈折率は、温度変化型測定装置「MAIOT(古沢地質調査事務所製造)」を使用し、30片以上を測定した。測定手順は古澤(1995)に従った。

図3−59 火山灰の砂粒組成、火山ガラスの形態、重鉱物組成の同定及び火山ガラスの屈折率の測定における作業手順