(3)瀬戸市東白坂地区

瀬戸市東白坂地区では、猿投山北断層を対象に愛知県建築部によってトレンチ調査が行われており、断層の存在及び位置が確認されている。ただし、断層面の傾きについては不明確であったため、 図3−41の位置図に示す位置で、本断層上盤側の地点から、斜め60度のボーリングを実施した。

ボーリングの結果は、資料−3のボーリング柱状図及びコア写真に示すとおりである。

採取されたコア試料では、表層からGL−4.5mまでは第四紀の被覆層、これより深部に基盤の花崗岩が分布している。

この花崗岩は、GL−15.4mまではコアは脆いものの岩組織は保存されており、比較的破砕度の低い産状を示す。一方、これより深部では全般に破砕度が高く、岩組織を残存する部分と、マイロナイトあるいは一部カタクレーサイト状を呈する部分が交互に認められる。

粘土化部分は強破砕部に伴って多数挟在されるが、特に、GL−28.65m〜GL−28.85mの間に挟在される粘土は軟質で粘着性が高く、これが断層粘土である可能性が高いと判断された。

図3−46のV−V’地下地質断面図(1:200)は、トレンチ結果及びボーリング結果を基に作成したものである。これに示したように、トレンチによる断層位置とボーリングの粘土の分布位置から、猿投山北断層の断層面の傾きは約78度と見積もられる。

図3−46瀬戸市東白坂地区 V−V'地下地質断面図(1:200)