各ボーリング調査結果は、資料−3のボーリング柱状図及びコア写真に示すとおりである。また、これらのボーリング結果を基に、地下地質断面図作成位置図を図3−43に、1:200の地下地質断面図を図3−44〜図3−45に示した、また、表3−10では地下地質断面図に示した各層について総括して記した。
表3−10 深見地区ボーリング調査結果総括表
@T−T'地層断面図(図3−44)
本断面では、極浅層反射法地震探査結果で、最も西側に推定された反射面の不連続線付近の成層状況を示している。
ボーリング結果では、この断面の範囲では先第四紀の基盤は全て花崗岩から成っている。基盤上面の高さは、西(T)側では耕土直下の標高157m前後、東(T')側では標高150m付近にあり、西から東に向かって大きく低下している。基盤上面の傾斜はボーリングNo.9〜No.4地点下で大きく、これに対してNo.8〜No.7地点間では基盤上面は概ねフラットな状態となっており、No.4、No.8地点間で明瞭な不連続性が認められる。
一方、基盤被覆層についても、No.4、No.8地点間ではA層、B層の分布高度や傾斜に不連続性が認められ、基盤の状況とともにこの位置に断層の存在を伺わせる状況を示している。ただし、C層は腐植物を含む層準等からは概ね水平な堆積構造が推定され、断層による変位を示すような地層状況は認められない。
以上より、ボーリングbSとbWの間に想定される断層を確認するため、トレンチ調査を行った。
AU−U'地層断面図(図3−45)
本断面では、極浅層反射法地震探査測線沿いの成層状況を示している。
ボーリング結果では、本断面の西(U)側では先第四紀基盤は花崗岩から成っているが、断面中央寄りでは花崗岩上を新第三紀砂礫層が薄く被覆している。一方、東(U')側では基盤は新第三紀矢田川累層の砂礫層から構成され、花崗岩は確認されていない。
基盤の上面は、断面中央より西側では東方に向かってわずかに低下する傾向を示し、東側ではほぼ水平であるが、両者の接合部では2.5m近い落差が認められる。No.21の斜めボーリングでは、この落差につながると考えられる断層面が確認されており、極浅層反射法地震探査で推定された中央の不連続面は、西傾斜の逆断層を示していると判断される。
一方、極浅層反射法地震探査で最も東側に推定された不連続面については、断面図右 (U')側に見られるように、基盤、被覆層ともにほぼ水平の地質構造を示しており、ここには断層は存在しないと判断される。
図3−43 藤岡町深見地区 地下地質断面線位置図
図3−44 藤岡町深見地区T−T'地下地質断面図(1:200)
図3−45 藤岡町深見地区U−U'地下地質断面図(1:200)