ボーリングの結果は、資料−3のボーリング柱状図集に示すとおりである。
採取されたコア試料から、表層からGL−17.2mまでは盛土及び第四系、これ以深ではGL−100mまで新第三紀鮮新世の瀬戸層群矢田川累層が確認された。
@盛土(GL−0.0m〜GL−3.5m)
部田地区の区長の話によると、「調査地点はかつて池があった場所」とのことであり、表層には層厚3.5mとやや厚い盛土が分布している。砂質土あるいは粘性土から構成され、表層には瓦礫,GL−2.5mまでは腐植物を多く混入している。
A沖 積 層(GL−3.5m〜GL−7.0m)
GL−6.0mまでは砂礫層、GL−7.0mまではシルト層から成る。
砂礫層はφ10〜30mmの硬質なチャート質亜円礫を主体とし、基質は粗砂を主体に構成される。
シルト層は不淘汰な層相を示し、砂分及び少量のチャート礫を含有している。
B段丘堆積物(GL−3.5m〜GL−17.2m)
砂層と砂礫層の不規則な互層から成る。
砂礫層はチャート質亜円礫を主体とし、所々に白色のくさり礫を含有している。基質はアルコース質砂を主体とするが、チャートの細礫や細粒分を含有する。
砂層は粗砂を主体とするが不淘汰な層相を示し、チャートの細礫や一部の層準では細粒分を多く含有している。
C矢田川累層(GL−17.2m〜GL−100.0m)
シルト・粘土と砂の互層を主体とし、所々に亜炭、火山灰、砂礫を挟在する。
火山灰は上位のものからGL−22.05m〜GL−24.00m、GL−54.90m〜GL−56.4m、GL−66.20m〜GL−66.40mに認められるが、上位層はシルト状、下位層も砂混りシルト状で、火山ガラスの含有量は少ない。
火山灰の層相は、みがき砂状の中位の火山灰は東郷火山灰に対比できる可能性が考えられ、この場合、GL−54.9m以深は中山(1987)の日進部層、これ以浅は高針部層に区分されることになる。
東郷火山灰と考えられる層準の上下の岩相の特徴としては、GL−54.9m以深では上端から約10m下位に丸根火山灰と考えられる火山灰層を伴うこと、また、所々に亜炭,砂礫を挟在していることが挙げられる。一方、GL−54.9m以浅では最下部に約11mに達する粗砂層が卓越していることが挙げられ、いずれも中山(1987)の日進部層、高針部層の岩相と調和的である。