(1)活断層の有無、位置及び長さ並びに断層の連続性

@大高−大府断層(8q)と高浜撓曲崖(3q)は、従来別々の断層と考えられていたが、衣浦湾の音波探査結果及び常滑層群の地質構造の調査結果から、この2つの断層は、一連である可能性が高いことが判明した。

したがって、この活断層については大高−高浜断層(21q:推定部を除くと18q)と仮称する。

また、浅層反射法及び極浅層反射法並びにボーリング調査結果によって初めて断層の存在が確認されたため、確実度はUからTになった。

A加木屋断層(13q)は、物理探査結果及び中位段丘面の変位量などの地質構造の調査結果から、阿久比撓曲(3.5q)と連続し、さらに半田市南部の成岩地区まで延びており、一連の断層であることが明らかになったため、加木屋−成岩断層(30q)と仮称する。 また、浅層反射法及び極浅層反射法並びにボーリング結果によって初めて断層の存在が確認されたため、確実度はUからTになった。

B従来加木屋断層の一部と考えられていた阿久比町から半田市亀崎地区付近に至る断層は、物理探査結果及び高位段丘面の変位量などの地質構造の調査結果から、加木屋断層 とは連続せず、別の地質構造である可能性が高いことが判明した。これは、阿久比東部撓曲(3.5q)と仮称する。

C高根山撓曲の一部である大府市南部付近には、空中写真判読で低断層崖と判断される高さ5〜10mの明瞭な崖が認められ、段丘面の北方への傾動など変位地形を呈しているため、断層の存在が推定された。しかし、浅層反射法では断層は検出さっれなかった。 断層が十分検出できなかったのは、今回の浅層反射

法の分解能によるものと考えられる。

D今回調査した7断層は、断層の横ずれ変位によってもたらされた地形は認められなかった。したがって、水平変位量を確定することはできなかった。