(2)図化方法

図化は、図2−2−1に示した範囲で実施した。この範囲は、変位地形が認められ、且つ地形改変が著しい地域である。

また、代表的な変位地形(崖地形等)の見られる箇所では、横断図を作成した。

使用した空中写真は次の通りである。

撮影機関  :建設省国土地理院、アメリカ軍

撮影期日  :昭和36年(建設省)、昭和21年(アメリカ軍)

縮尺    :1/10,000                            

コ−ス   :建設省 CB−61−5 C−12, C−13, C−18, C−19, C−20, C−21        

アメリカ軍

2−1 R1493, R2235, R1078, R1078, R1825−A, R1825B,

M158−A

2−2 R728, R851, R2760, R1825−B, R2760, R2800, R1642,

1)図化の流れ

図化作業は図2−2−2の流れ図で行った。

図2−2−2 図化作業の流れ

2)標定

地形図を描画するには、まず撮影縮尺と図化縮尺およびその精度に応じて使用する図化機を定め、測量地域に応じ図郭割を行ない、無伸縮の図化用ベ−スに図郭線および座標系に応ずる直角縦横線を描画し、図化機にポジフィルムを1モデルづつセットし、既測である都市計画図の地形をベ−スに1ステレオモデルづつ標定し、建設省の作業規程に従い図化を行なった。

@使用図化機は、2級Aまたはこれと同等以上の図化機を使用した。

A図化縮尺は、原則として完成原図の縮尺と同一とした。

B図化素図紙は、常温常湿における伸縮比が0.05%以下、厚さが0.10mm(400番) 以上のポリエステルフィルムを使用した。

3)図化

図化は写真判読にしたがい、まず道路、家屋などの平面地物を、次に田畑、林地などの地類を、最後に等高曲線、変形地などの地形を描画するのが通常で、この際図を明瞭にするため、あらかじめ区分したところによる赤青緑その他の色鉛筆を使用した。

建設省の作業規程に従い、おおむね下記のように行った。

@細部図化は、線状対象物、建物、等高線、植生等の順序で行い、描画もれのないように行う。

A細部図化は、鉛筆等により描画し、必要のある場合は、色区分をするものとし、鉛筆の色区分は、次表を原則とした。

表2−2−1  表現対象物の色区分

B等高線は、1本ずつ測定描画し、必要箇所の補助曲線を描画する。

C変形地は、可能なかぎり等高線で描示し、その状況によって変形記号を覆描する。

D標高点は、なるべく等密度でかつ下記条件の位置に選定するものとし、図上約5cm  間隔に最低一点は測定する。

1.主要な山頂

2.道路の主要な分岐点および道路が通ずるあん部、その他主要あん部

3.谷口、河川の合流点、広い谷底部または河川敷

4.主な傾斜の変換点

5.その付近の一般面を代表する地点

6.おう地の読定可能な最深部

7.その他地形を明確にするために必要な地点

E標高点は、独立した2回の測定を行ないその平均値を採用するものとし、測定単位は  図化機の最小読定単位とする。

2回測定の較差は、表2−2−2の縮尺1/2,500の場合の0.4mとし、較差が許容範囲を越える場合は、さらに1回の測定を行ない3回の測定値の平均を採用した。

表2−2−2 縮尺と較差

4)編集

図化機によって描画された素図を記号化し、既測図等の資料より注記等を盛込んで編集して、最終成果を作るための原図を仕上げる作業をいい、図化原図の上に新しい整理原図をのせて行なった。

5)原図作成(製図)

製図作業は、管理原図の上にもう一枚のマイラ−ベ−スを置きそれを墨入して清描する作業で、丸ペン、ガラス棒、各種鳥口、レタリングセット、写真植生学等を使う。決められた線の太さを保ちながらカスレ等で図面が見苦しくならないように注意する