そこで、この断層を新たに加木屋−成岩断層と仮称する。その延長は、約30qに達する。この全延長が一度に動く場合を想定すると、平均活動間隔は2万年、地震の規模はマグニチュードM7級となる(表5−6参照)。また、沖積層を切る低断層崖が認められなかったため、1回の地震による変位量は求められなかった。ただし、断層の一部が動いた場合には、地震規模は小さく、活動間隔も短くなる。
加木屋−成岩断層については、活動度は高くないため、地震発生の可能性は一般的には高くないと考えられる。ただし、この断層沿いには最近活動した証拠は得られておらず、トレンチ調査の適地もないために、現状の科学技術水準ではこれ以上、将来の地震発生予測を厳密に行うことは不可能である。
表5−6 加木屋−成岩断層の平均活動間隔及び地震規模
図5−1 加木屋層基底等高線図
図5−2 常滑層群の地質構造と活断層分布