(1)地形・地質調査
丘陵の尾根が、大田川から阿久比川の西側を南北に連続し、尾根は知多半島道路交差部で阿久比川の左岸(東側)に移る。この尾根がほぼ常滑層群の撓曲の位置に一致する。加木屋撓曲(ここでは、加木屋断層の西側の常滑層群の撓曲を加木屋撓曲という)の東側の大田川沿いにリニアメントが認められる。沖積面を切る活断層は認められない。加木屋撓曲の南部の阿久比川東側にはリニアメントも認められない。常滑層群の加木屋撓曲の南端は、これまで阿久比川を横断して南東に続くと考えられていた。しかし加木屋層の急傾斜部の走向は、阿久比川に沿って南に連続し、空中写真から判読される活断層は、南東に延びる連続性のある尾根に沿って、阿久比撓曲に連続すると考えた方が自然である。これらのことから数10万年以降の地質構造運動に伴う加木屋断層は、阿久比撓曲に連続すると推定される。