調査地域には、大高−大府断層、高浜撓曲崖（断層）、加木屋断層、阿久比撓曲、高根山撓曲、平井撓曲、半田池撓曲等が分布するが、いずれも鮮新世の常滑層群の地質構造から推定される撓曲構造である。また、常滑層群を不整合に被覆する更新世の加木屋層等は常滑層群とほぼ調和的に傾動している（坂本　亨、高田康秀、桑原　徹、糸魚川淳二：１９８５、吉田史郎、尾崎正紀：１９８５、細山光也：１９９５など）。

地形解析から活断層について研究した論文は少ないが、高浜撓曲については、地形解析やボーリング資料から断層の存在について言及されている（森山昭雄：１９９４，１９９６）。また、平成８年１０月に国土地理院から発刊された都市圏活断層図は、大高−大府断層や高根山撓曲が段丘層を変位させていることを明瞭に示している。